紅桔梗

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【雑記】舞台PSYCHO-PASS VVを観劇してきました

!公演中の舞台のネタバレを過分に含みます!
 
パステを見てきました
原作知識に関してはシリーズの映像作品はほぼ見てるけど、スピンオフ小説は六割くらいしか読んでいない人の感想
20土のマチネを見た
初見かつ頭と目が足りないので記憶違いが多い
帰りの電車で書いたものに加筆を重ねているので整合性もなにもない
人に見せるためにまとめてるわけではないので読みづらい
 
ぶっちゃけ何度通っても理解が及ばない気しかしないので、小説も出して…………
 
嘉納火炉に関してもうちょっと理性的に考えるのはまた別にまとめます……この記事はちょっと彼への解釈がふわふわしています
 
多少冷静になったのはこっち→
 

 

 
 
・しんどい……しんどい(しんどい)
 
・ドミネーターが基本仕事しねえ~~~~(あんまり発砲されないよね)(ドミネーターはね)(総発砲数は結構あるけどね……)だからこそ最後の監視官しんどい…………
・火薬への憎悪がすごい 着弾率の高さよ
・どうして……どうして……ってなりながら見てた
・先の展開へのフラグは結構わかりやすく立つんだけど、演出が上手いのか「急にくる」感じがある。びびる。
 
・半透明なプロジェクター(?)あれすごいですね!映画館か!?って思いました。劇場です。
→それでも作品そのものは映像に頼り切ることは決してなく、映像を上手く使って最高に魅力的な演出をしてくれました。すごいなあ
 
・蘭具、おそらく公認芸術家が潜在犯落ちしたケースだろうので、経緯は違えど六合塚と通ずるところがあったりするやもしれない……
 
・嘉納がジャケットを脱いだり着たりするの最高にGood……あれは監視官しか出来ない芸当……好き……
 
・爆弾処理のときに居合わせた3人が右往左往してるの可愛い
→ひとりになっても右往左往してる嘉納 可愛い
 
・(シリーズ恒例の?)喫煙シーン ありがてえ
・後になって九泉の出自が明かされるとき、彼にとって喫煙は「行為」であって「嗜好」ではないというのが、言葉にしがたいものがある……
 
・相田、生まれた頃から潜在犯なら、海が好きなのは更生施設(なんか子供を対象とした施設には別の名前がついてた気がする……)が沿岸部にあったからーとかなんだろうか。でも海って廃棄区画か国境警備ドローンの巣窟だよなあ。
→そう考えるとやっぱり「海に対する憧れ」と考えるのが自然?ちょっと最初の蘭具の(嫌味の)台詞が聞き取れなくて判断できない。
 
 
 
・刑事たちがワラワラしてるのド可愛い 和む
→みんな若いのが、(1期後の)新世代だな~~~って思った。執行官・監視官双方の消耗品感が否めないかんじ。
 
・なんかヒューマニストたちと征陸親子を並べて考えてしまってつらくなった
→征陸さんみたいな警察上がりのスタッフは、世代的にも現場にはほとんど残っていないんだろうなあ。
→敵の「警察の子供たち」、嫌でも宜野座を彷彿とさせるところがあって。警察組織がデカいので(人が多い)、彼らも征陸父子もその中では割と極端な例ではあるんだけど、ここまで違うのかー……とは思う。
 
→そもそも征陸は反政府テロかなにかで、刑事だった父親(宜野座の祖父)を亡くしていたはずなので、基本的に「国に殉じる」という意識が統治機関が変わってもあり続けるんですよね。対して「警察組織の意識に殉じる」思考がヒューマニストなのかなと。
→征陸が腐って刑事やめてたら?父への敵愾心が別の方向に向いていたら?
宜野座もこうなってた可能性があったんだよなあ……と……。
 
 
・「ドミネーター(シリーズ恒例のBGM)」でテンションが上がるタイプのオタク(聴きながら帰った)
 
・「ロボトミーによって……」私「あっ…(察し)」
・実際の手術例や、それに端を発した事件や騒動をある程度知っていたので色々察した(倫理的にアレな話)
 
・私は嘉納さんが黒いな~~~ってのは序盤の「異例の出世」や「ロボトミー」あたりで勘づいてたんですが、てっきり彼が手術された側だと思い込んで見ていたので、予想は半分当たりで半分大ハズレでしたね……
→著しく判断力を欠いた私「そっちかあ~~~~」
 
 
・嘉納が目白を撃つシーン、彼に対してへらへら笑ってるのヤバいやつすぎたな……。ただそのあとの様子(最後の操作会議でひとり外れている)のを見るに、あの笑顔は仲間殺しのための虚勢とも取れる。
→「今更そんなことを?」という嘲笑か、「結局こうなるのか」という諦めか。解釈さまざま出来そう。ちょっと彼の行動理念を整理したい……。
 
 
・冒頭みんなでワイワイしてるときは九泉だけが不機嫌で、中盤もそれは変わらないんだけど、最後のときはもう嘉納がずーっと笑ってなくて「アァ……アァ……」ってなりながら観劇してた
 
→そのちょっと前からどんどん表情が消えていく嘉納(目白さん撃ったあたり?)
 
→爪を噛んでいる(?)ような仕草をしていてオァ~~~~~~って胸を締め付けられる つらい 
→最初怒ってばかりで(他と比べると)人間よりシビュラサイドだった九泉さんが、その時は捜査の光明が見えたことをすごく喜んでいて、それからの「ゾンビ」の種明かしの落差がしんどい……えっだってさっきまで超嬉しそうにしてたじゃん……
 
→ここ、「人間らしさとは?」の問いかけへのコントラストを強める効果がすごくてすごい。PSYCHO-PASSは、ある意味「シビュラか人間か」みたいな構造もまた前提にある作品だと思っているんですが、最初は「九泉→シビュラ寄り・嘉納→執行官(本来の自由さのようなもの)寄り」な印象が強く表現されていて(実際そうなる理由がちゃんとある)、それが最後の捜査会議のくだりで逆転する。九泉は執行官の輪の中に、嘉納はそこから外れたところにいる。
→で、それが「九泉は哲学的ゾンビ」であることで、再度逆転する。嘉納の立場は本来執行官に限りなく近くて、執行官に近い思考を持ち合わせている……みたいな、位置づけ逆転のインパクトがすごく……すごく強い……。
 
→性格もあるんだろうけど、全体を通して「理解を示す」描写が多いのが嘉納。「拒絶や不理解」が多いのが九泉。
 
→九泉はそりゃシビュラの選民思想のようなものを肉体が生理的な反応として体現しているので、執行官とはウマが合わない
→で、そんな嘉納がほとんど唯一「拒絶」を示すのが「お前と俺は違う、あくまで利害の一致だ」というシーン。このあたりから徐々に人間らしさを出してくる。
 
→九泉は基本的に不理解のスタンスを取るから、自分を庇った部下に対しても礼を言ったり感情的になりすぎるのではなく、「いい部下を持ったよ」と事実を述べているのかなあ。
→九泉、感じたことはすぐ口に出そうだし。
→対して嘉納は思っててもにこにこーっとして言わない感じある(以前和田さんが演じられてたダイヤのAの御幸一也をちょっと思い出したよ私は……)
 
→最後の操作会議で嘉納が和から外れているのはどういう感情だったのか未だに理解しきれていない。悔恨?
→ある意味「悩む」「悔いる」というのが彼の人間らしさだったのだろうか(九泉の場合は大体キレてるし……)
 
 
・序盤から、九泉のシビュラに対する盲信は「母親を殺した事実を受け入れるように、否定しないために」という自己暗示なのかなーと思っていたんだけど、ミスリードにまんまと引っかかったようなかたちに……(哲学的ゾンビは他者からは絶対にわからないものなので、そう思うのは確かに正解ではある)
 
→なので、最初はそこが彼の人間らしさなのかな、と思っていた。原作で例えるなら1期の宜野座のように、シビュラによってもたらされた自分の人生や選択を否定しないために、シビュラの神託を盲信する傾向。
 
→なので、彼自身が哲学的ゾンビ(つまりはからっぽで、感情の動きや行動は電子信号に過ぎない人体)だと明示されたとき、シビュラによって与えられた人格は、代謝のように当然にシビュラを受け入れるのだな、と怖くなったね終盤……
 
→海のシーンで相田が「生まれつき価値が決められていることについてどう思うか」と生まれつきの潜在犯認定について九泉に問いかけたとき、九泉は答えを持たなかったのだけど、それは
 1:九泉が答えを持たない
 2:シビュラそのものが答えを持たない
のどちらなんだろうか……と考えたりした。その問を投げかけられて、国民が納得する説明を厚生省(シビュラシステムそのもの)はできるんだろうか……と。
→その必要性って、システムが警察権を掌握している今はもう無いんだけど、シビュラ黎明期には絶対議論になってたと思うんだよな……。
 
 
・戦闘シーンの嘉納、序盤は九泉を茶化すみたいな雰囲気も持ちながら、にこにこ笑顔も見せて戦ってたのが、終盤終始無表情なのやばいね……?ずっと無表情なの……
 
・怪我しても追いかけてくる大城くんつら
・「俺を殺してくれ」と言っても殺せないし自ら死ぬこともできない男……嘉納……
→中盤「ヒューマニストを頼む」って自殺されたの間近で見てたけど、あれも(目的しか一致してない)彼にとっては重荷にしかなかったのだろうか……勝手に重荷が増えていく
 
・抱きとめた弟分(?)を撃つのがあまりにも……近いんだよ撃たれる方の顔と銃口と撃つ方の顔が。そんな近くで撃つの……怖い……容赦がないのか覚悟が決まっているのか。遺体を抱えて歩いて舞台袖に下がる嘉納…………えっ成人男性ひとりの体を抱き抱えて?すごい(このあたりからただでさえない語彙が消えてくる)
 
→そういえば、中盤の戦闘で撃とうとした大城(?ちょっと記憶が曖昧……)や最初の九泉に対して嘉納が「撃つな!まだ問題ないかもしれないだろ(?)」「出来るだけ穏便に」って言ってた
→アレ、その場面だと常守朱の思考に近い、(九泉と比べて)人間を信じたい/助けたい故の行動なのかな~と思ってたんだけど
→もしかしてそれ、裏切りの伏線だったりしたのかなあ。どちらも(彼にとっては)味方だから「穏便に」という指示になったのか
 
→あの性格見てると、どっちもありそうだなあとも思う……。元潜在犯で今も実際は相当濁ってるはずなので、思考は基本的に潜在犯や犯罪者に同情的な印象。
→上手くできてるわ……脚本がすごすぎる
 
 
・ドミネーター同士が向き合うの、ありそうでなかった演出で好きだし、かっこよかった。独特なデザインをしたライトが静かに睨み合うのはロマンのような部分があるな~~~と思う。
→でもつらいもんはつらい
→「そうだよな……」と思いながらつらい
キャラクターに愛着持ち始めたあたりでガンガンしんどい燃料を投下されて若干パニクる
 
・原作世界観の設定的には、ドミネーターで撃ち合うのはおそらく執行官同士なら実現可能なんだろうけど、ふたりの肩書きが監視官なのはミソだよな~と思う。これがシビュラの意思。
 
・カテコで役者が何も言わずにただ礼儀正しく美しい礼をしていたの、とても素敵だなあと思った。今作は2.5次作品と言えど、イラストで描き起こされたキャラクタービジュアルのないちょっと特殊な作品だったんだけど、だからこそ、舞台俳優たちの芝居とキャラクターがイコールで結ばれた余韻がずっと残っている。
後味がいい内容とは言えないんだけど、胸にすっきり収まって、あとからまた溢れ出てくるような、そんな作品だったな。
 
PSYCHO-PASS原作の作風として、物語の時系列が進んでシビュラが新たな知見を得、キャラクターたちの人生は大きく変動するけれども社会は何も変わらない、みたいな傾向があって(顕著なのは劇場版第1作)、それを見事に体現してくれた舞台だな…と。
→ぜ、全滅……。
→結末に満足しつつ、どちらか生き残っていても面白いかもな、と考えずにはいられないです私は……。
 
・ただただ幸せなスピンオフが読みたい
・というか内容理解のために全日程終了したら小説版を出してくれ……もう……いっそ内容台本のままでもいいから……言い値で買う……
 
 
若干不完全燃焼だったとこ
・私が頭が足りないせいなんだけど、結局嘉納は数字だけが改ざんされていた、監視官の役割を与えられた中身は潜在犯だということでok……?
→この時代のひとはある程度自分の色相にアイデンティティみたいなものを持つので(現代人で言う身長とかテストの点数とか、そういうものと近い印象)、それを奪われるのはしんどいだろうな〜と思う。
 
→(追記)Twitterで「嘉納火炉はシャンバラフロートの軍人たちのように色相を改ざんしていたのでは?」って見解を見かけて「成る程な~」となったんですけど、嘉納自身が望んで(自らの意思でシビュラに歯向かった)そうなったのか、望まずして上からの命令でそうなった(この場合だとシビュラの正体知ってるのかな…)のか、ちょっと疑問が残っています。余力があれば考えたいし、誰か……誰か私と彼についてお話してくれる方……。
 
→彼が、おそらく付き合いの長い人間ふたりも撃ち殺してまでしたかったことってなんだったんだろう。
→彼の存在の秘密が秘密なので、局内で味方探しが出来なかったのはわかる(相手の犯罪係数が上がって問題が露呈する可能性があるから)。だから共犯に選んだのが色相判定が意味を成さない男(自害した彼ね)だったのはわかるし、最後に選んだ九泉もその同類だから人選は理解出来る。ただなんでそこに至ったのかがいまいちわからない。
→ここ次第で、目白殺害のときの表情と、その後の捜査会議の表情の意味の解釈が変わってくるので、どうなんだろうな……とぐるぐる考えている。
 
・(追記)そういえば、目白を撃つ前の目白の独白のくだりで、「(更生施設にくるのは)君は初めてか……」みたいなこと言ってたけど、潜在犯なら一度は更生プログラムや隔離下でのセラピーを受けているはずなので、ここも「?」ってなったんだった。
元執行官だから……なぜだ……
 
・ヘルメット事件後の更生施設のガス殺のあれ、犯罪係数300オーバーになるだけなら別に生かされてたよね……?あれ……?(1期の全身ペイントしてた人とか……)(ガス出るところは元々あるので、中で悪いことしたら多分アウト)
 
 
 
 
あとは座席とか劇場とか物販の話(蛇足かと思いつつ覚え書き程度に)
 
・駅から結構歩いた。バス慣れてるならバス使うのもアリな距離かもしれない。ちなみに帰りは方向間違えて、渋谷行こうとしたら目黒に着いてた。解せぬ。
 
・前方ブロック後列の通路席だったのでもれなく死んだ。「足音がす、る……?」と思って振り返るといる。隣に。びびる。かっこいいね……しかも役者が入れ替わる……サービスがすぎる……
 
・舞台上に複数のモニタがあり、所々に(大きくはないにしろ)柱がある構造上、全体を見る目的なら、他作品以上に後方の方が見やすいのだろうなーとは思った。私も作品理解のためにもっかい遠くから見たい。
手前に設置物が多い分、隠れて死角になる部分が大きいのと、複数の大きなモニタでそれぞれ別のものが映し出されていたりするので、前方席だと作品全体という意味では理解しにくい作品ではあったかな。迫力はあったし、モニタの存在はたいへんありがたくて、また
 
・女子トイレの混み方がエグい。15分前に並んだら「開演に間に合わない可能性がございます」って言われて焦った。
 
・(事後)物販は比較的スムーズに進んでたように思う。
・円盤が劇場限定のQRコードなの、しばらく購入を考える猶予が貰えるし、劇場での前払い後の配送事故(以前、別の作品であいかけたことがある)も防げる……たいへんありがたい……