紅桔梗

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【名探偵コナン】考察「降谷零=モリアーティ」という仮説

「降谷零=モリアーティ」という仮説。

スコッチ生存説を含めた遺体の行方/彼は何故自殺した?/降谷が赤井のみならずFBIを嫌うのは何故?/降谷が赤井を追う理由/宮野明美が知り得ていた事実と、彼女の行動/七つの子説/スコッチと宮野明美が双子である可能性/ベルモットが母親である可能性/メタ的な話/降谷とモリアーティとの共通点

 

 

 

 

前提として。名探偵コナンではキャラクターの登場回(特に初登場回)で出たキーワードが、そのキャラにまつわる出来事の鍵になっている場合が多い。

安室登場回で際立って繰り返されるワードは
愛人(初登場/緋色/裏切り/本誌最新シリーズ)」「遺伝子/遺伝子異常(初登場/招き三毛猫)」「(本人を含め)三者の知らない血縁者(初登場回/本誌最新)」「毒殺/毒を盛ったらその場から離れない(ギスお茶/本誌最新)」「火事(初登場/ミストレ/緋色)」

「爪/指紋(上記の遺伝子に含まれる)(初登場/仲の悪いガールズバンド)」

 

通常話題になりにくい特殊なものは
異性の双子(初登場)」「色が変わる(ギスお茶)」だろうか。

傾向として「最近はDNA(や指紋)で裏付けがとれるんですよ」という回が多い(私調べ) 

 

当記事では「降谷の出自が元々黒の組織側であること(二重スパイの可能性を含)」を前提に、その裏付けになりうる要素を羅列しながら、彼がコナンの世界においてのモリアーティではないか?という可能性について覚書き程度に書いていく。

 ※結構突拍子もないことや、すぐに破綻しそうなことも書いてます

 

 

スコッチ生存説を含めた、彼の遺体の行方

「裏切り」のあの場で、スコッチの生存確認や遺体の始末ができたのは、バーボンのみである。

ライには脈をはかるなどの直接的な死亡を確認した描写はなく、アニメ版ではバーボンよりも先にあの場を立ち去っている。

 

彼の名前の由来になるであろうガンダムシリーズにおけるヒイロ・ユイは、「自殺しても死なない」というキャラクターであり、それは彼の生存説の肯定材料のひとつにもなりうる。

そして仮にスコッチが生存していた場合、降谷はスコッチの生存を知っていることになり、にも関わらず、赤井の「彼のことはいまでもすまないと思っている」に対し訂正をしていない。降谷は赤井に「スコッチは死んだ」と思わせる必要があったことになる。

 ※18/06/14追記

ゼロのティータイムの描写と裏切りの描写を総合して考えるに、赤井も降谷も「スコッチは死んだ」と認識している印象が強いなとも感じました。ただその上でもしスコッチが生存していた場合、その場にたどり着きうるのは組織の構成員しかいなくない?あれっじゃあ仮に降谷が白でも、スコッチ(だけ)が黒である可能性は?って最近思い始めた。

 


スコッチはなぜ自殺した?

スコッチ「俺が公安であることが“やつら”にバレた。逃げ場はもう無いようだ」→発砲。

彼は“やつら=黒ずくめの組織”だとは言っていない。

これが死の直前、最期の台詞だとするなら、この発言をした(発砲した)時点のスコッチは赤井がFBIの潜入捜査官であることを知っていた筈である。日本警察とFBI同士は、黒の組織と比べれば遥かに友好関係を結んでいるべき相手であるし、信頼に足る相手の筈だ。


この場でスコッチ=公安を知る人間は赤井とスコッチ本人のみで、赤井が「お前一人逃がすくらい造作もない」と自信を持って言い切っているにも関わらず、未だその事実を知らないはずの第三者(実際は降谷)の足音によって自殺した。

まるで赤井の目を盗むようにして。

スコッチの言う“公安であることがバレたらまずいやつら”は黒の組織ではなくFBIである可能性はないだろうか。

 

この場面では足音を立てた第三者は彼らが捜査官であることを知らないため、スコッチは「協力する」と発言した潜入捜査官(赤井)に頼る方が遥かに建設的である。
現れたのがバーボンでなければ、口裏を合わせて普段通りに振る舞えばいいのであるし、現れたのが(赤井視点まだ捜査官だと判明していない)バーボンであってもそれは同様である。

また、仮にスコッチが足音でバーボンだとわかっていたのであれば、この三人は全員潜入捜査官であるのだから、それを共有し協力関係に持ち込む方が、警察組織としてはよほど意味がある。

しかしそれでも尚、彼は自殺を選んだ。 

 

つまりスコッチはなんらかの理由で、赤井(FBI)を頼るわけにはいかなかったし、彼がFBIだという確証があって尚、ふたりは「日本の公安警察」であることを明かせなかった。

→事実、赤井が「バーボン=公安」を裏付けたのは、このときより相当あとになってからで、バーボンは諸星=FBIに感づいてからも、彼がFBIであることが判明したあとも、コナンに暴かれるまで自分の身分を隠し続けている。

 
スコッチ(公安警察=組織構成員)がなんらかの出生の秘密を抱えていて、それを幼馴染である降谷と共有していた場合。彼の遺体を回収されるか、仮に自殺しなかったとしてもFBIの保護を受けた場合に、遺伝子情報などがFBI、あるいは組織などの第三者に流出すると血縁者が判明するなどの問題が発生する。それを防ぐために降谷がスコッチの肉体を回収したのでは。

 

降谷視点が黒の組織の側である場合、FBIからの潜入捜査官である赤井(ライ)は敵であり、本来は純粋な組織員であるふたりを欺いていた赤井は、降谷にとってもスコッチにとっても“裏切り者”である。
→この回のタイトルは「裏切り」シリーズ。

 

 


降谷が赤井のみならず、FBIを嫌うのはなぜ?

ゼロの執行人で描かれたように、彼は本来非常に理知的かつ打算的で、常に冷静に日本のためを目指し、あらゆるものを天秤にかけて守る/切り捨てるの判断ができる男である。(執行人は風見を含め、たとえ身内であろうとほとんどが彼の被害を被っている)

ケーキが溶けた!ではおそらく彼自身は原因が既にわかっているにも関わらず、子供の犯人を突きとめるという(無駄な)行動を止めてやりはしないし、小説版執行人では「業務用アイスクリーム」という助け舟を出さずに梓を探し回らせることで、風見と会話する時間を確保している。彼の優しさは単純な善意からくる「お人好し」や「面倒見のよさ」ではなく、相手の能力や性格をきちんと把握した上での計算と打算からくる「利用」だ。

 

赤井に関して特別な思い入れがあり、彼にひどく執着しているということは本人の口からも明かされているが(ティータイム)、それはあくまで彼個人に対する執着であって、その他に向くことは本来ないはずなのである。

 

にも関わらず、降谷はFBIそのものを嫌悪している。本来感情に流されず物事の取捨を冷静に行える降谷にとって、赤井だけを理由に、FBIに対して非常に排他的になるだろうか。緋色シリーズでは赤井だけでなくFBIを露骨に嫌っているが、その根拠は未だ明らかになっていない。

FBIに対する私怨の理由となりうるのは宮野明美の死がある。しかし、かねてより交流のあった宮野明美を利用し間接的に殺したのはFBIであるが、降谷視点、その妹である宮野志保を死なせたのは安室自身(ミステリートレイン)であり、初恋の人の娘をどちらも間接的にとはいえ殺したという行為において、罪の度合いという意味では彼のほうが遥かに重い。(降谷はシェリーを死なせてしまったのは自分であると認識)

FBIは公的な組織であり、国内捜査権はともかくとしても、日本政府もその存在を認めている。赤井のことを抜きにすれば、本来降谷にとっては利用対象になりうるし、操作のノウハウや得ている情報の共有にどれだけの意味があるかは、賢い彼なら理解しているはずだ。

しかし、それを選ばない。そして組織に対する単純な嫌悪感という意味では、FBIに対する嫌悪の方が、黒の組織に対する嫌悪よりも遥かに重いもののように描かれている。

 

つまり降谷にとって、日本のために利用できるのは組織>FBIなのではないか?

 

繰り返すが、降谷はゼロの執行人での彼は警察の仲間に死傷者が出た爆発事故の直後でも、冷静な対応や根回しができる男である。 赤井が宮野明美を利用したことや、スコッチの死の要因になったことが、FBIという味方となりうる組織そのものを嫌い遠ざける理由に、本当になりうるだろうか。

 

 

降谷が赤井を追う理由

降谷は公安警察という立場(部下という手足)を使って赤井を追っているが、公安警察としては「FBIが日本警察を介さない部分で捜査をしている」事以上の理由がない。(ジョディやキャメルの滞在自体は合法)

一方で、彼が元々組織側の人間と仮定するなら、裏切り者を確保する(あるいは殺してしまう)という大きなメリットがある。それだけではなく、宮野姉妹やメアリー世良などにも繋がる赤井は、生かしても殺しても組織にとって大きな利になるはずである。

組織の人間として、赤井が邪魔である/日本に滞在されると困る理由があるのでは。

 

 


宮野明美が知り得ていた事実と、彼女の行動

「諸星大=ライ=警察組織の人間である」「バーボン=安室透(=降谷零)」「シェリー=宮野志保」。

彼女は降谷のトリプルフェイスを初期から知りうる数少ない人物である。

(※ただし公安警察であることに気づいていたかは不明)

18/06/14追記

宮野明美が「安室透」と面識があったかどうかは現時点でまだわからない。諸星大から聞いたバーボンくんの話、程度だった可能性もある。

そのうち、志保が明美から聞いていた情報は「ライが恋人であること」「ライとバーボンはライバル」のみ。安室と志保は初対面で、「降谷と明美が幼少期に会っていた」ことは、ミステリートレインで彼の口から明かされるまで知らない。

またこの時点で赤井視点「公安=バーボン(安室)=降谷」はそれぞれ全て成立しておらず(「ゼロとあだ名される名前は少ない…」との発言)、また安室視点「ライ=潜入捜査官」も成立していないため、宮野明美は降谷と諸星の秘密をそれぞれ握りながら、それを誰にも(妹にさえ!)共有していない。

つまり赤井・降谷・志保はこの時点ではそれぞれが、ライとバーボンの正体を知り得なかった。

 

 ただし、宮野明美のメールのPSなどで、赤井に「バーボン(安室)=明美の幼馴染」くらいは共有されていた可能性はある。こちらは後述する。

 

 

 

 

七つの子説

“あの方”の連絡先(からす なぜ鳴くの~)の曲名は「七つの子」
世良姉妹(メアリー・エレーナ)の子供たちは現在、宮野姉妹と赤井三兄弟の5人であり、宮野エレーナと降谷・スコッチに遺伝的な血縁関係があれば、世良姉妹の血を引く子供は合わせて七人である、という説。

宮野エレーナが遺伝上の母親、という説。ただし本誌で「降谷は片親が外国人」と名言されたので少々弱くなった。

 

 

 

スコッチと宮野明美が(出生時点で血縁上の)双子である可能性

宮野厚ニのビジュアルが出てから私の中で可能性ゼロではないなと思った説。
キーワード的には「異性の双子」「三者の知らない血縁者」が当てはまる。

スコッチは「外国人目」でありながら「見た目はどう見ても日本人(仲の悪いガールズバンドでの世良の発言)」
外国人目は、外国人のキャラクターに見られる特徴で、ハーフ、クオーターのキャラクターは日本人目と外国人目が切り替わる。

現状ハーフと判明しているキャラクター(世良姉妹・降谷)は瞳以外にも、髪や肌など比較的わかりやすい外国人としての特徴を持つが、クオーターのキャラクター(宮野姉妹・赤井三兄弟)に関しては、一概にそうとは言い切れない。


宮野明美や羽田秀吉は(父親に似ていることもあって)西洋の血はほとんど感じられないし、宮野志保も「東洋人らしい容姿」を理由に留学時代いじめにあっている。

降谷とスコッチが同期であるという点も、降谷が29歳、宮野明美が24-25歳前後(?)であるので、降谷が大卒、スコッチが高卒であれば矛盾しない(作者先生は警察学校組に関して「同期だけど。年齢はともかく」と発言)。

 

 

 


ベルモットが母親である可能性

シャロン(表の顔1)には、娘のクリス(表の顔2/実在しない架空の娘)がおり、社会的にこのふたりの親子関係が認められているということは、シャロンには芸能活動中に、表向き妊娠を装っていた期間/あるいは実際に実子を身ごもっていた期間が存在するはずである。

クリスの年齢は29歳。降谷も29歳であるので、出生時期は一致する。

わざわざ二役を演じていたのは、実子(降谷)が自らのもとにいないなどの理由で表に出せないが、「妊娠を公表していた以上世間に子供を登場させなければならない」ためで、そのために作られた身分がクリスだという説。あのときの子供はきちんと存在する、ということを世間的に証明でき、かつクリスの年齢がベルモットがなりすませるまで成長した時点で、2つの顔は必要なくなったためにシャロンの存在を(表舞台で)殺した。それによって表の顔を統一し、親子が同時に存在できないということを原因に表社会で起こり得る疑惑のリスクを回避した。

 


→その場合の父親が烏丸(ボス)である可能性(降谷の片親は日本人)


「まさかあなたがボスの……(バーボンの発言)」この発言、なんのひねりもなく安直に考えると、降谷関連話で頻出する「愛人」というワードが当てはまる。また「三者(あるいはベルモット本人さえ)知らない血縁者」である(このベルモットの秘密を握っているのは現時点でバーボンのみ)。

またこの場合、「色が変わる(遺伝子異常?)」(肌や瞳など。現時点でメインキャラクターに褐色肌の外国人は数少ない)も相当するか。
シャロンは「夫はオスカー像獲得の翌月に病死した」と有希子らに語っているが、娘の存在が既に虚構である以上、必ずしもそれが真実だとは限らない。

 またティータイムでの「いくつだって演じ分けてみせる」劇場版での「死者を蘇らせる」という降谷の発言・発想が、ベルモット由来のものであったら…と考える。

 

→安室の握っているベルモットの秘密は、安室が死亡した時点で組織(あるいは世間)にリークされる手筈になっており、それは「安室以外の誰かも知っていて、その人物が安室の死に気づいた時点でバラす」という可能性と、「安室の遺体(あるいは血液など)そのものが弱みである」という可能性がある。

(降谷となんらかの血縁関係があり、彼の遺伝子情報が鍵になる)後者の場合、ベルモット以外の組織メンバーや警察組織に安室の遺体が渡った時点で、秘密のリークは完了する。

 

「日本人」ということに固執してるのを見るに、外国人である側の親との生活経験薄そうなので、ベルモットに認知されてなくてもなんら問題ない。

彼の初登場回は「DNA鑑定ってすごいよね(蘭の発言)」という内容であったことも併記しておく。

 

 

 

 メタ的な話

シークレットアーカイブスにて、「初登場時点までは、安室をすごく悪い奴にしようと考えていた」とある。その当時の設定がどれだけ生きているのかは定かではないが、その時点で出ていて、かつ継続的に頻出する「愛人」「三者が知らない血縁者」「DNA鑑定」「遺伝子異常」といったワードは、まだ設定として残っている可能性が高い。

 

また、作者先生は「赤井は降谷に対して悪感情を顕にしない(対抗意識を燃やされても、イラついた顔を向けない)」とスタッフに指示したという話がある(ソース未確認)。事実、たしかに向けてはいない。

 赤井は基本的に身内に対して干渉しないが、露骨に危険にさらされることが事前に分かっている場合には守れるのであれば守り、身内が露骨な危険に晒されない場合は本人の意思を尊重傾向があり、外見や口調の厳しさの割に身内に甘い。

→好む酒、数年前(スコッチ死亡時点?)までスコッチとバーボン、現在はバーボン一択

 →おそらく赤井にとって、弟、妹、志保、明美、スコッチ、バーボンは庇護の対象であり、少なくとも嫌悪の対象ではない。

→とすると赤井は、スコッチとバーボンを身内と認識していることになる。理由は何故?血縁であるのか、明美の幼馴染であることに起因するのか(また、それを知っているのか?であるならばどこで?)。

この場合「敵に回したくない男」という言葉の意味合いが、少々異なってくる。

 

 

 

 降谷とモリアーティの共通点など

  •  数学者としての表の顔と、悪党一味の頭領として狙った獲物は必ず仕留める犯罪者としての顔、そして隠れ蓑として、教師という顔を持つ→降谷と同じくトリプルフェイス
  • 多くの手下を使う→執行人で描かれた、協力者というワード
  • 計画が失敗した場合も、彼自身にはなんの嫌疑もかからなかったという事実
  • モリアーティはドイルの母親、「メアリ」のスペルをもじって作り出された人物→ドイルの母親は、メアリー世良の名前の由来になった人物(ちなみにホームズシリーズには「エレーナ」という名前の女性も登場している)
  • モリアーティは、ドイルがシャーロックホームズを終わらせるために登場させた人物→そのため、ホームズ(この場合はコナンというより赤井?)と同等の知能を持っている。→作品が明確に終わりを迎えようとしている今、怒涛の情報開示が始まった降谷と類似。
  • 降谷 零という名前→モリアーティは最後、滝(零れる谷)に落(降)ちて死亡する

 

 

 

 

 

 あんまりまとまってない過去記事はこちらなので、読み終わって時間がありましたらこちらも参照ください。今回端折った降谷・スコッチ双子説とか、そんな感じのことが書いてあります。

 

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